「――――こんばんは、お兄ちゃん」

 

「イベントですね、わかります」

 

 

 士郎の頼みもあり、夜の徘徊をして三時間程。

 教会方面は避けて深山町に留まっていた筈が、見事にエンカウントする始末。

 

 

 銀髪をなびかせ紫のコートを羽織った子供が、こちらを見上げる様にして坂道を上る。

 

原作に沿った、イリヤの隣に並ぶ巨躯。

闇の中ではどす黒いモンスターと言っても差支えない。

 

 

「どなたか知らないけど、大勢のレディもこんばんは。

 ……わたしとしては、お兄ちゃんがそんなに女の子を侍らしちゃって少し残念かな」

 

「女の子?」

 

「衛宮、突っ込まなくていいから話を進めろ」

 

「そ、そうだな――って、いいのか、アキ!?」

 

 

 テンプレ宜しく士郎がイリヤに名を訊ね、ここで初めて二人は知り合う。

 

 九割方戦闘に入る事を予想して、短刀を取り出さないまでも腰に手は構え警戒態勢。

 それを見た琥珀と弓塚も、意図を察して気を引き締める。

 

 

 サーヴァント・バーサーカー。

 英霊ヘラクレスを狂化させたその姿は、いつかのネロを思い出させる様な鋼の肉体。

 

 しかし、威圧感に身体が怯えるも手は動く。足も動く。思考も冷静さは失わない。

 慣れか、橙子式鍛錬の影響か、一年前程の震えは今は無い。

 

 

「――親父は……切嗣は、自分の娘を捨てたりなんかしない! きっと何か、事情があって――」

 

「嘘! キリツグは帰って来なかった。約束を破って、手紙も何も届けないでずっと此処で――」

 

 

 バーサーカーに集中していた所為か、いつの間にやら言い争いを始めていた士郎とイリヤ。

 まぁ、部外者が割って入れるものではないが……上手く、説得できれば御の字である。

 

 

「教えてあげる、お兄ちゃん。

わたしの目的は聖杯を手に入れる事ともう一つ、お兄ちゃんと切嗣に復讐する事なんだから!」

 

「イリヤっ!!」

 

「五月蠅い! ――――やっちゃえっ、バーサーカー!!」

 

 

 はい、原作通り。

 想いが通じなかったのにショックを受けてか愕然とする士郎……の背を思いっきり叩いて無理やりにでも奮い立たせる。

 

 ここから先は世にも醜い殺し合い。

 呆けていたら生き残れないと、睨む視線で訴えた。

 

 

 巨人が吠える。

 本能から恐れる身体に喝を入れて、呑まれない様に腹一杯に叫んでやる。

 

 

「弓塚、出番だ! 殴り殺せっ!!」

 

「よし――――って、わ、わたしだけ!?」

 

 

 他のメンツに撤退を促す俺を見て、弓塚が抗議の声を上げた。

 

 

 

 

 

憑依in月姫no外伝

第二十一話

 

 

 

 

 

「幸運以外全てAランクとか、もはや反則レベルだよな」

 

 

 最優のセイバーは筋力や魔力がAランクで、ランサーやライダーは敏捷性がAランク。

 

つまりそれが彼らの長所であるのだが、目の前で暴れる巨人のステータスは平均がAランクなのだ。

 白兵戦では勝ち目が無いと言われていた所以が、現実味を帯びて押し寄せて来る。

 

 

 ――もっとも、それと互角に渡り合っている弓塚も十分に化け物やっていると思うけど。

 

 

「アキさん、余りさっちゃんから離れないで下さい! 感応の力が弱まります!」

 

「解ってる! キャスター、そっちの強化は大丈夫か!?」

 

「え、えぇ……。ただ、相手が強過ぎるわ。あの鉄塊が薙ぎ払われる毎に、サツキに掛けた身体強化が剥がれる感じで――」

 

「この位置から強化を頼む、魔力が尽きたらすぐに言ってくれ!」

 

 

 空気の振動と言うものを直に感じながら、適切な距離を見極め戦闘を見守る。

 掘削機が暴走した様な破砕音を辺りに響かせ、吠え、バーサーカーは斧を振るう。

 

 

「そんな大振り――まずはジャブで動きを止める!!」

 

 

 止まらなかった。

 

 

「ぜ、全然効いてない――――!?」

 

「ふふ、誰だか知らないけど、そんな攻撃がバーサーカーに通用する訳ないじゃない」

 

 

 形勢が有利なのを確信してか、悦に浸るイリヤ。

 月明かりの下で妖艶に嗤う様が非常に腹立たしい。

 

 弓塚を馬鹿にするなよ、コンチクショー。

 

 

「隙だらけ――くたばれロリッ子!」

 

「――■■■■■っ!!」

 

 

 ホルスターの棒手裏剣に手を掛けると同時に投擲。

 が、それらはイリヤに届く前に巨人の体躯もって遮られる。

 

 真正面から、それも半端な攻撃ではやはり突破させてはくれないらしい。

 

 

「ア、アキ! 幾ら敵だからって、女の子にいきなり刃物を投げ付けるのは――」

 

「余計な心配だぞ、それ。衛宮はわからないかも知れないが、あのイリヤって子は俺たちより普通に強い」

 

 

 ズン、と足元が揺れる。

 バーサーカーの斧を弓塚が避ける度に、振り下ろされたそれは容赦なく大地を削って撒き散らす。

 

 

「弓塚っ! 小手先は要らん。力だけで真っ向から勝負しろ!」

 

「む、無理だよ!? わたしこんなに筋肉ないもん!」

 

「あのネロ・カオスにだって力負けしなかっただろ、後は気合いだ!」

 

「き、気合い!?」

 

 

 迫りくる暴風と連撃を見切りながら、要求された言葉に弓塚は困惑する。

 瞬間、何かを閃いた様に強い語気へと変化した。

 

 

「よ、よ〜しっ――――ア、アキ君!」

 

「何だ、気合いが入ったのか!?」

 

「そ、その事だけど……あ、あのさ! こ、これから呼ぶ時は苗字じゃなくて――」

 

 

 横一線に振るわれた斬撃を、紙一重で屈んでやり過ごす。

 息が上がっているのが、弓塚の顔が若干赤い。

 

 

「危なっ! 体調が悪いのか、弓塚!?」

 

「だ、大丈夫! で、弓塚じゃなくてさつ――」

 

「――■■■■■■■■■っ!!」

 

 

 縦一線に振るわれた斬撃を、真横に転がりやり過ごす。

 

 

「あ、危なくて見ていられん……」

 

「ア、アキ君から名前で――」

 

「――■■■■■■■■■っ!!」

 

「う、うわああああぁっん!! う、うるさいよ〜〜、もうっ!!」

 

 

 弓塚の渾身の右ストレートが巨人の腹に突き刺さる。

 良く分からないが、一応気合いは入ったらしい。

 

 

 今までとは違う質の拳にバーサーカーの動きが止まる。

 揺らぎ、だが一瞬で態勢を立て直して反撃とばかりに斧を振り下ろした。

 

 両手を前に突き出し、弓塚はその巨大な鉄魂を受け止める。

 

 

「くぅっ!?」

 

「■■■■■■■――っ!!」

 

 

 斧を掴み、力任せに押し返そうとする弓塚。

 

バーサーカーはそれを許さず、咆哮を上げて鋭い灼眼で威嚇する。

ゴリッと、更に筋肉が盛り上がる音。

 

 

「さっちゃん、頑張って!!」

 

「わ、わかってるよ――琥珀ちゃん!!」

 

 

 コンクリートがひび割れ、足が埋まる。

 バーサーカーに押し潰されそうに膝を揺らす中、弓塚の長髪が魔力を帯びた様に浮かび上がる。

 

 場を支配する程に、存在感が増す。

 溢れる生命力を自身の怪力に変換し、

 

 

「■■っ!!」

 

 

 振り下ろされた凶器が、地面を砕く。

 どれ程に力が込められたか計り知れないそれは、埋まっていた水道管を破砕する。

 

 

 

 

 ――――弓塚は、消えていた。

 

 

「そこっ!!」

 

 

 突如、バーサーカーの頭部が一直線に下降線を描き、大地に叩きつけられる。

 

まるで何かが爆発した様な錯覚。

 辺りに、そして弓塚の服に飛び散っているのは間違いなく返り血で、

 

 

「勝負あり、だね」

 

 

 英霊の鮮血と地下から溢れ出る水に身体を濡らしながら、呆気なさそうに弓塚は倒れた相手を見下した。

 

 本気を出すと性格が若干冷酷になるのか、近寄りがたい雰囲気は消えない。

 それ以上に、今は良くやってくれたと褒め称えてやりたいが――

 

 

「弓塚、まだ気を抜くな! そしてジャンプ!!」

 

「ふぇ?」

 

 

 訳がわからず、しかし長年の付き合いで聞いた瞬間に弓塚は跳躍する。

 一瞬遅れて、バーサーカーがその場一帯を豪快に薙ぎ払った。

 

 

「い、生きてる!?」

 

「油断大敵って言ったろ、馬鹿野郎っ!」

 

「え、えっと……禊が完璧に決まったから、流石に倒したかなぁって……」

 

「格好良かったのは認めてやる」

 

 

 まさか格闘ゲームの技をリアルで見れるとは思わなかったし。

 いつ練習したかは知らんけど。

 

 

「ア、アキ! そうは言っても、今ので頭を割らなかったか? 何でアレで生きてるんだよ!?」

 

「こっちが聞きたいくらいだって。ともかく、並みの英霊じゃない事は確かだな」

 

 

 一旦引いた弓塚に全員が駆けつける。

 慌てる士郎を落ち着かせ、数秒で呼吸を整える。

 

バーサーカーが蘇生を行う隙に、キャスターが弓塚へ強化魔術を掛け直す。

 現状を再認識した後に、予め練っていた作戦を発動させた。

 

 

「――弓塚の渾身の一撃で倒せない相手なら、プランAだ」

 

「わかりました、アキさん」

 

「あんまり自信ないんだけど……というか、また言いそびれた……」

 

「そもそも、マスターのシナリオは無茶過ぎると思いますが」

 

「何さ、プランAって?」

 

 

 気にするなと士郎の疑問を流し、再び立ち上がる狂戦士に意識を戻す。

 

 弓塚を除いた全員はすぐさま距離を取り、弓塚は己の役割とその両腕に力を込める。

 しかし、先の様に力比べは極力避けたヒット&アウェイの戦法に切り替えて。

 

 

 誘う様に坂を上る。

 イリヤから見ればもがいて逃げる様に、汗を垂らして恐れる様に。

 

 

「衛宮――この聖杯戦争、弓塚がやられればそれで終わりだ」

 

 

 衛宮にそう、刻み込む。

 勝負の行方は、この主人公が握っているのだから。

 

 

 

   ◇

 

 

 

「信じて良かった、主人公」

 

 

 大局の流れが変わる。

 遠くに投げ飛ばされ――遠坂邸の窓ガラスに直撃した士郎を見て、ぐっと拳を握った。

 

 

「アキ君、後は――」

 

「あぁ、もう少しの辛抱……上手く捌け!」

 

「うん!」

 

 

 弓塚を激励し、摩耗してきた精神を立ち直らせる。

 ここから先は、Fateの主人公とヒロイン次第だ。

 

 イリヤとの遭遇は常に予想していた事。

 故に、こちらも事態に備えて対策は練った。

 

 

 ――――戦闘は新都で行わず、必ず遠坂家が射程に入る圏内で発生させる。

 

 

 原作のルートは通らずとも、使えるシーンがあればそれを使う。

 こちらで疑似的な状況を作り出せば、流れは自ずと原作に似た風にはなるだろう。

 

 

 各々が複雑になる後半はともかく、序盤ではそれなりに有効な手札。

 

 アインツベルンと遠坂は、妥協して手を組む程互いに安くない事。

 衛宮士郎の前では、遠坂凛は魔術師よりも年相応の少女の顔を見せやすい事。

 

 そして、バーサーカー戦でセイバーの様にピンチになれば、士郎が己の身を呈して庇う行動を取る確率が高い事。

 

 

(それを組み合わせた作戦が、跳び込んで来た士郎の首根っこを捕まえて遠坂家に放り込む……流石の凛も無関係ではいられまい)

 

 

 もちろん、弓塚にセイバー程の怪我をさせる気は欠片も無いので、あくまで演技。

 見事な大根役者でした。

 

 遠坂凛は優秀で冷酷になれる魔術師であるが、士郎や桜相手にはお人好しの面が多聞に見られる。

 ならば――――巻き込んでしまえと。無理に介入させた後は、死なない程度に運任せだ。

 

 

「マスター! もし坊やがトオサカの娘を連れて戻って来なければ――」

 

「粘って五分だ。衛宮を放り込んでも遠坂が様子見を続ける様なら、プランBで何とかする!」

 

 

 とは言っても、手持ちの札は多くない。

 霊体化して息を潜める暗殺者のサーヴァントが傍らには控えているが、その能力値は昨夜の戦闘で激減している。

 

 ランサーに掛けられた“全てのサーヴァントと戦い、一度目は殺すな”の縛り。

 そのおかげか命までは取られなかったものの、現界不可能の寸前まで追い込まれたのだ。

 

 

 ステータスはオールEマイナス。

 特徴的な気配遮断もキャスター曰くCランクまで下がっている。

 

 女性三人でバーサーカーを押さえている現状、動くとしたら俺とアサシンで狙いはイリヤ。

 

 

 不安点は小聖杯足るイリヤの魔術がどの程度の規模、速度で反応するかが分からない事。

 後はバーサーカーに備えられた心眼のスキルだろう。

 

セイバー程で無いにしろ、予測できない第六感の効果範囲は厄介な事この上ない。

 

 

 

 

「――――こらああああっ!! あんた達、うちの近所で何やってんのよ!!」

 

 

 と、その他諸々の懸念事項を、届いた叫び声と共に綺麗さっぱり掻き消した。

 

プランはAで続行。

振り向けば、士郎の首根っこを押さえた凛が黒髪を逆立てて走ってくる姿が見える。

 

 

 士郎には予め強化魔術を身体に行使しておくよう言っておいたため、目立った外傷は特に無い。

 弓塚が士郎を投擲した個所から遠坂邸まで凡そ六十mはある筈何だが……本当に身体は剣で出来ているのか、嫌に頑丈な奴である。

 

 

「衛宮っ、良かった、無事だったのか!」

 

「落ちたのが遠坂のベッドの上で、何とか……自分勝手に行動した揚句、迷惑までかけて……悪い」

 

「弓塚を助けようとしてくれたんだし、二人とも無事だったんだから気にするな」

 

 

 我ながら嫌な人間になったものだと、心の奥でひっそり思った。

 

 

「で、何で遠坂さんまでいるんだ、衛宮?」

 

「あぁ、放り込まれた先がちょうど遠坂の家でさ。俺がその、跳び込んで来た事情を説明したら何か怒って外に出た」

 

(……イリヤの嫌がらせだと思ったのか?)

 

 

 第三者の介入により、場の流れが止まる。

 弓塚と巨人の紅い瞳が交差する中、アインツベルンと遠坂は邂逅した。

 

 

「随分なご挨拶ね、アインツベルンのマスターさん」

 

「良く分からないけど……わたしはお兄ちゃんと遊んでいるの、邪魔しないでくれない?」

 

「遊ぶにしては過激過ぎでなくて? それに、あんたのサーヴァントは衛宮君よりもあちらの女の子の方に夢中じゃない」

 

「――っ、バーサーカー!」

 

 

 御三家同士の確執だろうか、一瞬にして険悪な雰囲気が築かれる。

 弾ける巨躯。イリヤの命に従い、巨人は咆哮を上げる。

 

 

「思ったけど、これって近所迷惑だよな、絶対」

 

「あの子が結界を張ってるから余程の規模で爆発でも起きない限りは心配無用よ、魔術師さん」

 

「……どうも」

 

 

 こちらの呟きに遠坂凛が見下げた感じに言葉を返す。

 右手の甲を掲げ、イリヤスフィールとそのサーヴァントを見据えた。

 

 

「セイバー、あいつを吹っ飛ばす準備はいい?」

 

「……やれやれ、大人しく漁夫の利を狙えば楽なものを……苦労をかけるマスターだ」

 

「乙女の部屋を荒らされて黙っている程、悠長な性格はしてないわよっ」

 

 

 それにいずれは越えねばならない敵でしょ、そう宙にウィンクする凛に応えるかの様に姿を現すサーヴァント。

 

 白髪に赤い外套を纏った、長身の男。

 鷹の様に鋭い目線が、周囲と、己の敵である巨人を捉える。

 

 

 

 

 ……どう見てもアーチャーです、本当にありがとうございました。

 

 

 掛け声と同時に疾走するセイバー。

 両の手に夫婦剣を携えるその姿形に混乱するも、空いた思考回路で現状の一手を模索する。

 

 

「弓塚、戦闘再開だ!」

 

「えっ、で、でも、どっちを!?」

 

「バーサーカーだ、赤い方は少なくとも敵じゃない!」

 

「わ、わかった!」

 

 

 共闘体制を取る弓塚を横目に、士郎と凛から距離を取る。

 自分のサーヴァントに向かい、囁いた。

 

 

「キャスター、お前にはあのセイバー……どう映ってる?」

 

「どう、と申しますと?」

 

「変だと思わないのか? アレがセイバーだとすれば矛盾が生じる」

 

 

 原作のアーチャーがセイバーの枠に収まっている事で十分驚愕に値するが、セイバーのサーヴァントは“最優”の称号を冠している。

 つまり、能力値の低い英霊では本来その座に収まる事は出来ない筈。

 

 

「……確かに、あれがセイバーだとすればステータスが余りにも低いわね」

 

「やっぱり、見えてるものは同じか」

 

 

 マスターの特権として脳裏に映るサーヴァンのステータス。

 

 遠坂凛の使役するサーヴァントは総合的に見てCランク。

エミヤだから仕方は無いが、故に彼はアーチャーの座に収まるべき器なのだ。

 

 

 しかしキャスターは、怪訝に皺を寄せるこちらを余所に微笑む。

 

 

「良いじゃありませんか、マスター。むしろこれは好機です」

 

 

 召喚の儀式に不備が生じたのか、すでにセイバーかアサシンしか呼ばれるクラスが無く媒介の力を持って強引に収めたのか――この際はどうでもいい事、とキャスターは言う。

 

 

「最優と称されるセイバーがあのレベルであれば、私たちの敵はバーサーカー以外に存在しません。

 昨晩は不覚を取ったランサーも対魔力はCランク程度。サツキと私ならば打倒できます」

 

 

 哂う魔女。

 

 ――どこぞの知らない英霊。わたしのサーヴァントは大英雄のヘラクレスなんだから。

 格の違いを見せつける為、イリヤが驚愕の真名を叫ぶ。

 

 力をぶつける弓塚と、受け流すアーチャーもといセイバー。

 人知を超えた戦の第二幕が、声高い少女の宣告を機に落とされた。

 

 

「――――狂いなさい、バーサーカーっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

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“ズレ”とか言って聖杯戦争のルール無視して御免ね! でも凛なら、凛ならきっと何とかしてくれる……

慣れてないのかFateのキャラの口調とか間違っていたらご指摘くださると助かります。うぅむ、あくまで通過点な戦闘だから盛り上がらないのか……力量不足が歯痒い。