「無事に藤乃とのお出掛けが終わりました。

どう見ても姉妹で買い物、本当にありがとうございました」

 

「いきなりネガティブですね、アキさん」

 

 

 仮住まいとなった伽藍の洞に帰還したところを、エプロン姿の琥珀が出迎える。

 どうやら夕飯の支度の最中だったらしい。手に持つお玉から、今夜の献立を連想する。

 

 

「夕飯が出来るまでまだお時間かかりますから、しばらく待っていて下さいね」

 

「了解。簡単な人物紹介でもして暇を潰してるわ」

 

「そんな堂々とメタ発現を……」

 

 

 月姫本編が終わって、藤乃や橙子さんと会って、ここにまた一つの区切りが出来たと思う。

 ここ十日ほど精神的な面で色々と苦労が多かったが、見えるべきものが定まった、そんな感じ。

 

 明日からはまた肉体的にきつくなる。

 

 まぁ、一人じゃないから頑張れるとは思うけど。

琥珀も弓塚も付き合ってくれるし、海を越えた向こうでは志貴が悲鳴を上げてるだろうし。

 

 

 

 

 いつか皆で、遠野家に。

 

 その幻視を夢見て、今日という日を精一杯生きていこう。

 

 

「ア、アキ君……おかえ、り……」

 

「ど、どうした弓塚――――って顔赤っ!?」

 

「橙子さんにわ、渡された薬を飲んだら……ん、なんか……か、身体が熱くて、服が擦れるだけで、あ、あぁ……ひゃん!」

 

「エ、エロい……じゃなくて、今すぐ琥珀を呼んで……か、身体が動かない、何故に!?」

 

「はぁ、んぁ……ア、アキ君……」

 

「と、橙子さん! 橙子さ――――ん!!」

 

 

 

 

 

憑依in月姫no外伝

『幕間・設定と人物紹介』

 

 

 

 

 

●原作と異なる(かもしれない)設定について

 

・行使できる力は“魔術”と“能力(超能力)”の二つに分類される。

“魔術”は魔術回路を介して「外界に散在するマナ」あるいは「体内の生命力」をオド(魔力)に変換して行使し、“能力(超能力)”は「体内の生命力」を魔術師とは異なる形で魔力に変換して(または魔力に近いもの、もしくは生命力そのもの)行使する――――としています。

 

・セイバーが竜の因子を持つために「魔術回路を用いずにただ生きているだけで魔力を生成できる」との設定から真祖や吸血鬼も生成量に差はあれ、ある程度は“それに似た性質を持つ”と判断し(シエルの回路数に比べてアルクや弓塚についての記載が見当たらないため)、“能力”側の全てが上記のように「体内の生命力」だけで全ての能力行使を補っているわけではないとする。

 

・“魔術”側は志貴・両儀式(直死の魔眼の制御について志貴は魔術回路が少ないくらい、との記載から)・鮮花・オリ主のアキであり、“能力”側はアルクェイド・弓塚・藤乃・琥珀・翡翠・秋葉などが該当する。

 

・“能力(超能力)”を扱う者は魔術師とは異なり、魔術回路は存在しないものとする。

 

 

上記の様に纏めましたが、あくまで原作に忠実に。

明らかに間違っている所がございましたらご指摘して下さると嬉しいです(出来ればソース有で)

 

 

 

  七夜アキハ

 

『憑依in月姫』からの主人公。現在十五才。

バイトしていた最中に型月の世界へ憑依といった形で飛ばされた。憑依先は七夜と浅神の血を引く七才の男の子で藤乃そっくり。今思うと結構な無茶設定。

 

 男の子というより男の娘。ショタではなく美人さんに該当する。

 十二話の時点で琥珀からリボンを貸してもらいポニテになった。

 

 鍵穴を針金で開けれる、クレーンゲームが得意、回転軸を同時に複数作ったりと器用。

そしてセンチメンタルなのでおそらくA型。

 

 

 戦闘時は歪曲の魔眼と七夜の体術+棒手裏剣の投擲で相手の気を逸らすのがメイン。

 

 七夜アキハ、遠野シキ、アキハ、磯野アキハなどころころ名前が変わっている。

 紛らわしくて申し訳ない。

 

 

 

  琥珀

 

メインキャラその二。現在十六才。

 子供の頃に色々あり、七夜アキハの事を“正しい人”と思っているのだが……最近はそうでもなくなったっぽい。

 

 原作と異なり槙久の暴行・凌辱を受けていたのは八才の誕生日からその年の夏までの五ヶ月程。よって経験はあるが床上手という訳でもない。

 秋葉とは普通に体液の交換によって感応能力の契約をしている(正しくは“していた”。現在は翡翠が代役)。胸から血を吸わせるのでなく、百合展開……やっぱり床上手、なのか?

 

 『〜no外伝』の四話以降から和服ではなく私服に変わった。

 

 

 

  弓塚さつき

 

 メインキャラその三。現在十五才。

 持ち前のパワーでアキの戦闘力の無さを補うこの作品での戦闘要員。必殺技は読んでいた漫画からパクッた右手の“魔術殺し(マジックブレイカー)”。

 

 “弓塚の仮の身体を手に入れる事”が三人の目標となっているため、アキと琥珀を巻き込んでいる事に負い目があったり。普段は元気だけど時々、影で泣いたりする儚い子。

 

 死徒として覚醒しているので原作と違いロングヘアー。

 魔眼は魅了、暗示、そして今さっき束縛を習得した。

 

 

 

  遠野志貴

 

 直死の魔眼を持つ少年。現在十五才。

 八年前の惨劇で何もできなかった事を悔いて強い家族愛に目覚める。“家族”を守る事を意識し過ぎてか少々性格が歪んでる気もしなくはない。年上嫌い。

 

 何だかんだ言ってアルクェイドと恋仲になった……と思ったら実は志貴の方は“友愛”だったという罠。良く考えると、初めての相手はレンかもしれない。

 

 三咲町に帰って来た後、魔術習得の名目でまた旅立った。

 原作より遥かに強くなっているのは確実である。

 

 

 

  遠野秋葉

 

 遠野家の当主。現在十四才。

 立ち位置は原作と対して変わらず。琥珀ルートが存在していないため、内部の人間関係は特に複雑になっていない。ブラコン。

 

 アキを父親殺しの犯人として疑い、消極的殺人未遂の前科有り。その後、琥珀と一悶着して父の所業と当主としての立場に悩まされることになる。現在進行形。

 

 仕方のない事だが、最近は全く出番がない。

 

 

 

  翡翠

 

 琥珀の双子の妹。現在十六才。

 普通に屋敷で暮らしており八年前の惨劇も目撃者から外れていたため、まぁまぁ普通の女の子として育った。姉の事は監禁されていた期間が短かったために“槙久様のお世話をさせられていた”くらいしか知らない。

 

 ほぼ空気。有間の家で日々平凡に暮らしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

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7/5修正